TEL. 052-735-5508
〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町
名古屋工業大学11号館402室
電波のエネルギーを熱エネルギーに変換して、路面の雪を融かすシステムの研究です。従来用いられている電熱線による融雪システムよりもランニングコストやメンテナンスコストが安価で、出力の上限が高いので、迅速に融雪できる点に特長があります。
電波発振機から2.45GHzの電波を出力し、漏洩導波管を介して発熱モルタルブロックに照射します。発熱モルタルブロックに含まれる産業副産物の「電気炉酸化スラグ」が電波エネルギーを熱エネルギーに変換します。表層は遮蔽材で覆われているため、電波が外に漏れることはありません。
パソコンから漏洩する電波の傍受による情報漏洩、電子レンジなどから出力される妨害電波など、建築電磁環境に関する様々な問題を解消するため、電波を遮蔽する材料や電波吸収体が必要となります。
本研究室では、安価な産業副産物やセメント系材料を用いることで、建築での大量使用に耐えうる非常に安価な電波吸収体を開発しています。
特定の周波数の電波を選択的に遮蔽する材料や、広帯域に電波を吸収する材料の他、建築の内装材が電波吸収体に与える影響の調査など、建築電磁環境を整備するための基礎研究も行っています。
スギ花粉やPM2.5など、人体に害となる粉体が飛散しています。これら粉体は樹木等の発生源から直接飛散するだけでなく、一度路面に沈着後、再飛散します。直接飛散した粉体だけでなく、再飛散による粉体が何度も人体に作用して、花粉症等の症状を悪化させます。
この研究はモルタルの表面仕上げ形状を工夫して粉体を係留したり、モルタル表面を帯電して吸着したりすることで、粉体の再飛散率低減を目指します。花粉の飛散を減じることで、花粉症の影響を軽減します。
産業副産物である電気炉酸化スラグはコンクリートの骨材として用いることで、コンクリートの密度を向上したり、急冷スラグの場合は流動性を向上させたりできます。
ただし、近年まで遊離マグネシアなどが含まれ、骨材が膨張するといった理由でコンクリートの骨材として不適であると評価されてきたため、設備改善によって膨張しにくくなった現在においても、コンクリートの骨材としての活用方法が十分に検討されていない面もあります。
本研究室では、特に加熱がコンクリートの骨材として用いられる電気炉スラグにどのような影響を及ぼすかを検討します。
建築業界の技術は多岐にわたり、中でも大きな成果は歴史年表等で示されています。しかし、そこに至るまでの経緯、各企業の技術開発動向、成果をあげられなかった技術などはあまり明確ではありません。過去の技術開発経緯を体系的に明らかにできれば、参考資料として新しい技術開発の一助となります。
発明や意匠に対して独占権を与える知的財産権。その出願に係る明細書等は技術文献であり、分類を付与することで体系的に整理されています。この研究では知的財産データベースを用いて、過去の技術開発経緯を明らかにし、建築業界の近代技術史を分析します。
知的財産権、開発や人材育成システムなどの仕組み、ノウハウなどは企業にとって大変価値があるものですが、企業価値を検討する際に主に参照される財務諸表には表れません。
このように、可視化しにくい企業の資産を見える化するのが「知的資産経営報告書」です。知的資産経営報告書を作成することで、事業承継や新入社員教育などをスムーズに実施でき、金融機関への融資の根拠資料を得ることができます。
本研究室では、知的財産の専門家である弁理士を中心とした知的資産経営報告書について普及を推進しています。
IPランドスケープや知的資産経営報告書、ローカルベンチマークなど、知的財産に関する情報を統計的に扱って業界や組織の動向を把握する動きが活発になっています。これら統計的情報を誰にでも分かり易く明示するため、パテントマップを用いますが、パテントマップの作成と活用についてはルールが無く、多種多様のものが氾濫しています。
一般に企業等組織や弁理士が業務で用いるパテントマップは、容易に理解できるものが要求されます。そこで、一般的かつ汎用的に用いられ易い数種のパテントマップを特定し、これらのフォーマットを統一して標準化することで、パテントマップ作成者と読者の間で瞬時に情報共有を図れる環境を醸成します。
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